2017年2月18日土曜日

古典派最後の砦。


2月25日~3月3日まで国立市「器の店ノーション」にて企画展。詳しいことは先月のブログを


モーツアルトチロル。何味だか分からないので興味本位で買ってみた。



ここ最近の風潮として他人を見る目に、ある種の手堅さを求めることが不安定な精神状態を少しでも健全に保つ拠り所となっているようです。
工芸品なんかを作っていてはまともな人間らしい生活など出来るはずがない。まして漆器なんぞを作って生計を立てるなんて到底無理、、、、というのが今どきの世間一般の視線です。
これは、18世紀の偉大な作曲家モーツアルトが作曲活動だけで食べてゆくことができなくて、ピアノ演奏の曲芸師をしながら旅をして生計を立てていた、、、、という事を密かに暗喩しているのでしょうか。

「漆器を作っているのですね。大変ですね」といった憐憫の情を感じずにはいられない数々の言葉の裏にはかつてモーツアルトですら一つの芸事のみで生きてゆく事が困難であったのだから、お前は今の現状を素直に受け入れて大衆的価値観を迎合しろ、、、といった意味合いの教条が含まれているのでしょうか。おそらくは違うはずです。この言葉のロジックとなるべき背景は個人主義的ヒエラルキーと親和的関係にあるのだろうと思われます。
この場合の「大変ですね」という言葉の真意を予測するとおそらくは、才能の有無にかかわらずこういった資本主義経済の枠組みから外れたものへの冷ややかな眼差しと価値観の相違への諦めにも似た歎きが渾然一体となった感情の発露が存在し、尚且つ穏やかにその場を離れようとする動物的直感による危機回避能力からくる逃避行動の現れがそういった発言をさせるのであろうと思われます。

こういった手工芸で生計を立てるのは、、、、大変なのです。

、、、、、という事で今回展示会へ持って行くアイテムの紹介です。


今回展示会ではスプーンを色々持って行くので、少しづつ紹介。

、、、と思ったのですが、面倒くさくなってその辺にあった物をザラっと並べてみた。

長さ18cm

結局ザラっと並べるより1本づつ撮った方が絵的、、、という事に気付く。


モーツアルトチロル、ジャンポールエヴァン的な味が、、、。